センスがないから、言われたことを愚直にやるだけ。もうひとつの起業家像現在、京都で旅館のプロデュース業を営んでいる山田真広さん、28歳。……と書くとなんてこともないのだが、彼は、ここに来るまでに片手じゃ足りないほどの事業をスクラップ&ビルドしてきた。それに、起業家というと自分で事業を立ち上げた人、というイメージがあるが、山田さんはちょっと違う。自分には起業センスがないと早々に見切りをつけ、著名な投資家や経営者のもと、“起業家業”をすることを選んだ。なぜそこまで、起業家にこだわるのだろう。その動機は意外なほど単純なものだった。「中学生の頃からお金持ちになりたかったんです。でもって、人と違うことがしたい。僕が進学した大学は、ランクもそこそこ。このまま就職しても先が見えていたので、その頃には起業志向もより明確になっていました。バイト先やインターン先も起業に役立つ経験が得られる会社を選んでいました」そう話す、山田さんの初めての起業から現在までのいきさつを尋ねた。2016.11.16 10:00
「夫に鼻を削がれた女性」に心動かされた彼女が、戸惑いながら見つけた新しい目標5歳のころに起きたアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに、国際問題に興味を抱くようになったという松川理々子さん。高校の卒論は、女性の人権問題をテーマに選び、大学入学と同時に途上国の人身売買問題に取り組むNGO団体でインターンシップをはじめた。しかし、強い動機で臨んだにもかかわらず、半年で音を上げることになる。「自分の知識や問題意識が浅かったんです。原因は自分のなかにありました」と話す、松川さん。しかし、インターンを辞めて1年以上が経つというのに、当時のことが今も心で燻ぶっている。人に話すことで気持ちが整理できるかも、と今回のインタビューに応じてくれた。2016.11.08 10:00
男友達は、だいたい職人。“選択肢がないジモト”をブチ壊したい「僕も同じような生き方をしていたかも。彼らは本当にもったいないんです」そんな言葉を発するSくんは、現在21歳。大学で学ぶ傍ら、ブライダル事業を営む会社の代表を務めている。東京に近い地方都市出身のSくんは、中学までを地元で過ごした。高校は野球推薦で他県に進学。大学入学を機に上京し、今に至る。彼は言う。野球があったからこそ、自分の道を進むことが出来た。地元に残っていたら今の僕はどうなっていたのだろう、と。2016.11.01 02:00
いつまで「東京」に、しがみついてるの? 社会人3年目のわたしが感じる違和感東京に憧れ、上京する人が絶えない。最新情報の発信地は常に東京だ。東京にいれば、不自由はない。欲しいものも行きたい場所も圏内だ。なんとも便利な都会暮らしである。そんなふうに東京を謳歌する人を横目に、「ホントに東京っていいとこなの?」と、疑問の目を向ける女性がいる。四国で生まれ育ち、名古屋の大学に進学後、だれもが知る都内大手企業に就職した。現在は、観光サービスを手がける部署で働く、25歳の彼女。農林業を生業とする祖父を見て育った彼女の夢は、地元で就農し、農業によって地域振興をすることだ。そのための一歩と信じて決めた就職先だったが、入社3年目にして、「自分の人生を歩んでいるとは思えない」と嘆く。地方出身の同僚や友人が東京を満喫する姿も、どこか遠くの出来事のよう。多少の差こそあれ、地方出身者ならだれもが憧れる「東京」での仕事や暮らし。そのなかにいながら、息苦しさを感じる人もいるはずだ。それでも、東京に留まる理由とは、一体?2016.10.13 05:00
大量の残飯、死にそうな顔の店長「飽食でも幸せじゃない日本」を変えるために日本は、飽食の国である。駅前のファミレス、雑居ビルの居酒屋チェーン、路地裏の小料理屋、雑誌で話題のカフェ。これらのキッチンの片隅には大きなポリバケツがあり、日々残飯が無慈悲にも放り込まれている。一方の家庭はどうだろう。添加物たっぷりの加工食品と農薬だらけの野菜が食卓に並び、ファストフードを昼に食べた父親と子どもが好き好きにそれらを箸で突つく。いつから日本は、食事を、空腹を満たす『作業』に変えてしまったのだろう。2016.10.06 02:00
容姿…その永遠の課題に傷つきながらも彼女がつかみたい未来とは「もっと美しく生まれたかった」。誰もが一度は抱く感情ではないだろうか。いつも隣にいる友人のように、テレビで見かけるあの俳優のように。身近な人であってもなくても、瞬間的に、そして心の奥で恒常的にくすぶるこの思いは、どこに追いやればよいものなのか。なぜなら容姿は、生まれながらのものなのだから。今回は、この容姿により、幼少から長きにわたって傷つきながらも、そこから立ち上がろうと行動を起こした「彼女」の話。現在、24歳。今年4月、通っている近畿地方の大学を休学して上京。現在、複数の企業でインターンをしながら、自身が立ち上げたビジネスの足掛かりを東京でつくるべく奮闘している。2016.08.17 10:00
「お金のせいで何かを諦める生活はしたくない」経済的理由で進学を諦めた彼の、新たな夢高校を出たら、大学に行くもの。それを当たり前とする若者がいる一方、大学に行きたくても行けない事情を抱え、進路に迷う若者がいる。「行きたい。でも、行けなかった」。そんな経験を持つ人の多くは、高等教育を受けていないことを引け目に感じながら生きているのかもしれないと、あらためて思う。今回は、大学進学という目標を、経済的事情で諦めざるを得なかった「彼」の物語。芸大を目指し、一浪するも不合格。今は週2回、プログラミング教室に通いながら、ベンチャー企業でアルバイトをしているという、現在19歳。彼の目標は、同年代が大学を卒業する22歳までに、フリーランスエンジニアとして一人前になること。具体的には、月に60万円の収入を目指すのだという。大学進学に代わる、新たな目標を見つけた彼の表情は明るい。目の前の将来に向け、邁進中の彼に、今の心境を尋ねた。2016.07.30 06:00