謎の非営利団体『銀座奥野ビル306号室プロジェクト』が部屋を守り続ける理由私が銀座奥野ビルに出会ったのはつい最近だ。被写体としての仕事でフォトグラファーが撮影場所として提案してきたのが縁で足を運ぶことになったのだ。何の予備知識もないまま出向いたので、はじめて奥野ビルにたどり着いたとき自分の目を疑った。1932年に竣工され現在も当時のまま銀座一丁目に佇む姿は壮観で、入った途端に時空が歪んだような不思議な感覚になった。2016.05.08 10:00
『MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事』で感じた、三宅一生の服への絶えない情熱私が三宅一生氏の服と出会ったのは、約1年前。なにげなく入ったヴィンテージショップがきっかけだった。店内に並ぶ春物の洋服に触れながら歩いていると、気がつけば何度も触っていた服に目を奪われる。手に取るとうっすらと自分の肌が透けて見え、折りを重ねたプリーツを撫でると闘魚の尾のように揺れている。他のブランドでは見ない繊細なデザインに特別を感じ、衝動的に購入してしまった。その日から『ISSEY MIYAKE』を愛用することになる。 購入してしばらくは、ただキレイと思うだけだった。しかし、あまりに着心地がよかったので調べてみると、それは「プリーツ」という三宅一生の代表的なシリーズらしかった。失礼な話かもしれかないけど、この繊細な服を生み出したのが、白髪まじりのおじさんだということ以外、この記事を執筆する機会が無ければ何も知らなかったのだ。 だから今回、ライターのお仕事として『MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事』にお邪魔することが決まって、三宅一生の仕事を通して服に宿す精神性を少しだけでも理解できたことをとても嬉しく思っている。2016.04.29 10:00