ノンノ 7月号レビュー

まず結論から言ってしまうと、この〈ノンノ〉7月号は、“前作と比較してフックやパンチには欠けるが、その方向性を踏襲した順当な2ndアルバム“といったところだ。


その前作とは、「新生活が始まって1ヶ月、今から目指すのはなんか可愛い大学生」を大特集に「BBQ、合宿、ボウリング、宅飲み 新生活イベント成功コーデ」という超実践型企画をキラーコンテンツとして配し、「西野七瀬(乃木坂46)の京都旅」でダメ押しを決めた大傑作の〈ノンノ〉6月号のこと。それくらい前号はすさまじく面白かった。もちろん、それには劣るもののこの7月号だって悪くはない。


さて、今〈ノンノ〉のどこがおもしろいのか? 端的に言えば、前号の6月号と今号を特徴づけている、女子大生をターゲットにSNS(特にインスタグラム)を意識した誌面づくりだ。


インスタグラム時代の雑誌づくり

まずハッシュタグ。「#おうちでまったり」「#ぶらぶらお散歩」「#海に連れていきたくさせる」といった文章系から「#スキニー」「#プリーツ」といった単語系まで、小見出しなどにハッシュタグを積極的に活用し、インスタグラムに馴染んでいる女子大生との親和性獲得や、今感の演出に一役買っている。


そして今号の大特集『なんか可愛い大学生の6月は 脱・いかにもコーデ!!』内の「男子がジャッジ! 20歳のリアル恋呼びコーデ」では、アイテムごとに男子複数名が顔出しでコメント。もちろんそれだけならSNS以前からあった手法だけど、おもしろいのは続く「ぐっとくる「いいね」な小物gram」という、タイトルからしてド直球な小物紹介コーナー。ページを12分割し、インスタグラミーな(ほぼ)スクエア写真で、アイテムをハッシュタグとコメントつきで紹介しているのだ。リード文における「“モテ狙い“は今の気分とは違うけど」という言い訳的な前置きを、みんなやってるインスタグラムにおける「いいね」と結びつけることできれいに着地させている。お見事。

曖昧かつ極端なペルソナ「なんか可愛い大学生」

またキラーワード「なんか可愛い大学生」が象徴するように、今の〈ノンノ〉のターゲットは明確に女子大生。「3女&4女の憧れミューズ」として中村アンを紹介するなど、学年別にペルソナを作り、ハウツー的にコーディネートやヘアスタイルを提案していく姿勢は”強引すぎだろ!”と思いつつもおもしろい。


とはいえ、数ある雑誌の中から〈ノンノ〉を選んでいるという時点で、ある程度カテゴライズされているのだから、実際そこまで無茶な話ではないのだ。これは「紙の雑誌」だからこそできる芸当かもしれない。


以上、つまりは“紙媒体としてデジタル時代にピッタリと合わせ、超実用的”というところが今の〈ノンノ〉なのだ。


西野七瀬が担うロマンチシズム

……でも、そんな現実性ばっかりじゃ退屈。ということで、それをちょっとだけぶっ壊すリリカルさとエモさが見え隠れするコーナーがあるのも、今の〈ノンノ〉がグッと来るポイント。


6月号は前述の「西野七瀬(乃木坂46)の京都旅」がそれにあたり、この特集から紙が光沢紙からマット紙に変わるのも超秀逸だったし、何よりも写真が良かった。“京都じゃなくどこで撮っても同じじゃん“という写真ばかりセレクトされていた『週刊プレイボーイ』14号の表紙巻頭グラビア「なーちゃんと京都ラブラブデート!」とは大違いだ。


そして今回の7月号でそのリリカル&エモを担当しているのが、やはり西野七瀬(と鈴木友菜)が出演している「友菜と七瀬 雨の日が待ち遠しくなる10の方法『雨、ときどき、ゆうななせ』」である。


これは雨が続く梅雨時期を少しでも楽しもうという、傘や長靴、雨に強いバッグを紹介するコーナーなのだが、構成が秀逸。突然の雨にバッグを傘代わりに歩く姿と雨宿りのシーンに始まり、「朝から雨の日」「大人な雨」「遊ぶ日の雨」といったコーディネート別に傘をさすシチュエーションが続くなか、最後に待っているのが「傘もささずに、いっそ濡れてみる!」という展開。ハイライトには、雨の中モデル2人がポンチョを来てはしゃいでいる写真が来る。来た来た来た来た! と叫ばずにいられない、まさしく今号の最高到達点。ぜひ雑誌を手にとって読んでみてほしい。


ちなみに次号予告を見る限り、8月号で気になるのは「脱ひな壇女子! 『テーブル映え』トレーニング」と「西野七瀬の夏餃子」。そして「選挙に行くということ」。「西野七瀬の夏餃子」、破壊力ありすぎ。

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