みんなも"マーブリング"って言葉は知ってるよね? 水面にインクを垂らし、出来上がるサイケな模様をそのまま紙に写し取るやつだ。人の意図と自然の意思、デザインとエントロピーの合わせ技。俺も小学生の時に図工でやったな…。
そんな懐かしい響きにも感じるマーブリングだけど、それをめちゃカッコいいパフォーマンスにしているチームが東京にいる。DIRTY WORKERS STUDIO(以下DWS)だ。Cota、Kaol、Midori、Shotaの20代4人組。まるでタトゥーのようなボディペイントを、自分たちでアレンジしたマーブリング技法でやっている。俺たちと年も近いしめちゃ気になるじゃん?と言うわけで、話を聞いてきたよ! わりと真面目なテンションで話してきたよ! そして体験してきたよ! (西條)
interview by TETSUTAROsaijo
video by Ryo Oguchi
official photo by Daizaburo Nagashima
西條 : そもそもボディマーブリングとはどういったのものです? そしてなぜチームで活動するに至ったの?
僕ら3人(Cota、Kaol、Midori)は同じ専門学校を卒業していて。そこの学生が出展するサマソニのボディペイントブースへOBとして手伝いに来て欲しいという依頼があったんですよ。3人の出会いはその時で。僕とKaolが特殊メイクと造形を学んでた。そしてMidoriにはヘアメイクの知識がある。学生のやっているボディペイントと同じことをしてもつまらないので、僕ららしい別のやり方を考えてみた。それがボディマーブリングだったんです。
西條 : プロダクトって、例えばどういうものにチャレンジしてますか?
Cota「ガラスや布、プラスチックから木製の物まで、いろいろです。でも、すべての素材にできるわけではないんですよね。ものによって、できたりできなかったり、相性があります。その試行錯誤を現段階では行っています」
西條 : 例えばマーブリングする素材によってインクの調合を変えたりとか、そういう研究するんですか?
Cota「そうです! それがもっと必要になってくる。今は、ボディ用に配合した塗料をそのまま使ってみて、どんな素材に対応しているのか試しています。でも、硬い素材だったら油性にかえたほうがいいかもしれないし、みたいな。
西條 : マーブリングってどこまで意図してデザインできるんですか? 最初にイメージをどれだけ固めてから作りはじめるの?
Cota「これも研究段階ではあるんですが、ある程度のコントロールは出来るようになってきました。最初はほとんど意図できない、自動的に出来上がる模様だったんです。水面が、自然の力で作り出すものでしかなかった。それはそれで楽しかったんですけどね。やっていくうちに、テクニックでコントロールできるところがあるなって気がついて。例えば、爪楊枝とか割り箸だったり、インクを散らすための道具ひとつで水面の動きが変わったり、空気も作用するし、ほんの小さな差で柄が変わる。それがとても怖いし果てしないし、逆にコントロールできない面白さでもあります。今もまだ100%コントロールできてるわけではないけど、色の量とか、動かし方とか、ツールで差が出るのを感じ取れるようになってきた感じですね。自然の力を借りながら、自分らが作りたいイメージも頭で想像しながらやってる。それはまさに戦いで。楽しい戦いだけど」
西條 : その戦いの中の失敗談は?
Midori「スーパー失敗します!!(笑)
西條 : 先駆者が海外にしかいなくて、教わったわけでもなくて全部試行錯誤で作り出してきたって凄い!
Cota「手法・技法自体は昔からあって、発祥はトルコとからしいです。日本でも"墨流し"という日本画のベースになったマーブリングに近しいテクニックがあり、古くから知られている方法です」
西條 : マーブリング、小学生の時に図工でやりました!
Cota「そうそう、ある程度の柄とかは簡単に誰でもいい感じに作れちゃう。でも、それから先に進んで、もっとデザイン性とか表現とかができるだろうし、したいという欲望が出てきた。それをやろうとした人は実はあんまりいないですね」
西條 : マーブリングって自然のなりゆきの模様なように見えるけど、本当は作者のイメージに基づくデザインがあるし、それをやるグループってのが画期的ですよね!
Cota「今まであった技法をもっと深めて、さらにその先へ行こうとしているので、難しいことも多いですね。Midori曰く、衣装のデザインをやったときはマジでボコボコにされて、全然思い通りにならないってことが、何日も続いて」
西條 : その衣装デザインは最終的に、何がきっかけで、これだ!っていう作品として仕上がったんですか? 技術的な改善があったんですか? それともたまたまで、試行回数の問題?
Cota「どっちもあるっちゃある。それまではずっと、ただ水面へ塗料を垂らして、棒を動かして、引っ掻くように柄をつくってただけだったけど、それだけだと、全部ババくさい感じというか古いデザインに見えたり(笑)
西條 : 今後新しくチャレンジしたい技法や素材、進出したいシーンとかコラボしたいものとかがあれば教えて下さい!
Cota「やっぱり一番はフェス・イベントで多くの人に体験してほしいという思いがあります! 僕らが参考にしているアメリカのボディマーブリングチームBLvisualsも大型のフェスでブースを出展してて、それがいいなと思って。DWS結成のタイミングで彼らに連絡したんですよ。彼らがやってることを自分らもやりたいということを伝えて、"最初は同じような真似事に近い感じになるとは思うけど、最終的には自分らのスタイルを出していきたいんだ"というのを言ったんです。アイデアをパクるみたいなことはしたくなかったので、もしBLvisualsのみんなが嫌じゃなかったらやらせてくれと。すると快く"日本で超頑張ってよ、絶対いけるよ!"って言ってくれました。それが大きなキッカケだったこともあり、そう言ってくれた彼らの想いを一番に考えてる。イベントでたくさんの人に知ってもらい、マーブリングの可能性を広げていきたいですね。
西條 : DWSのマーブリングをやりたい、見てみたいってなったら、直近で体験できる機会はありますか?
Cota「今のところ決まってるのは、4月末にハイタイムっていうフェスがあって、そこでの出展かな。あと、代々木公園のハルカゼフェス(4/2,3)にも出展します。みなさんぜひ覗きに来て下さい!」
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ちなみにこの日の取材ではCota特製のサンドイッチでもてなして頂きました。美味い。なんて素敵な人たち!
連れてったカリグラファーのMAZが実際にボディマーブリングを体験させてもらって大はしゃぎ。ブラックライトを当てると光るしかっこいいし。最初の動画を見てくれ。水面にインクを垂らすところから全てパフォーマンス。MAZ曰く、「とにかくアガる体験」だ。
これからの彼らの活動、要チェックです。
DWS オフィシャル : http://www.dirtyworkersstudio.com/
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