『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は、ポップカルチャーのリファレンスに満ちている

クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットという豪華な面々が出演した映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』。世界経済を襲ったリーマンショックの裏側で、いち早く危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人のアウトローたちの実話が、ついに日本上陸した。

金融問題とか難しそうだな、と構えることなく観てほしい。メインキャストのひとり、クリスチャン・ベール扮するマイクはヘヴィメタ野郎だし、ポリフォニック・スプリーがカヴァーするニルヴァーナから、村上春樹の「1Q84」から、セレーナ・ゴメスまで、作品にはポップカルチャーのリファレンスが散りばめられているのだから。

とにかくテンポが良く、まるでゲーム感覚で先が気になってしまう今作は、編集が秀逸。先日発表されたアカデミー賞で編集賞を受賞しなかったのが不思議なくらいだ。編集と同じくらい台詞も最高で、こちらは納得の脚色賞を受賞している。


監督・脚本を務めたアダム・マッケイは、『俺たちニュースキャスター』やら『俺たちステップブラザーズ』やら、邦題にやたらと“俺たち”とつけられているコメディ作品でおなじみ。


アメリカの国民的コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のライター、ディレクター出身なだけに、一見難しい深刻なテーマを見事なコメディに仕上げられている。そのマッケイを筆頭に、製作陣が舞台裏を語る動画も必見だ。


『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

監督:アダム・マッケイ

脚本:マイケル・ルイス、アダム・マッケイ、チャールズ・ランドルフ

出演:クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピット

原作:マイケル・ルイス「世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち」(文春文庫刊)

原題:The Big Short

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3月4日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国公開


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