CASSETTE STORE DAY JAPAN初開催。カセットブームの加熱は必至!

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編集者。雑誌屋。SILLYコントリビューティング・エディター。

日本でも「カセットストアデイ」が開催されるという。大反響だった中目黒のカセットテープ屋「Waltz」のレポート記事を始め、SILLYでもカセットテープリバイバルのムーブメントをずっとフォローしてきたけれど、いよいよこのムーブメントが本格化しそうだ。

「カセットストアデイ」のことは知らなくても、「レコードストアデイ」というのは耳にしたことがあるかもしれない。いまや一説には、フィジカルな音楽メディアの20%を超えるほどになったと言われるアナログレコード。その再ブームの大きなきっかけとなったと言われているのが「レコードストアデイ」だ。

毎年4月の第3土曜日に開催される、この日に、世界中のレコードストアがイベントを開催。有名無名問わず、数多くのミュージシャンの限定版レコードが発売される。日本でも毎年規模を拡大、この日にレコード店に足を運び、毎年のように散財してるというミュージックフリークも少なくない。


「レコードストアデイ」はアメリカ・ニューヨークで始まったが、「カセットストアデイ」はイギリス・ロンドンで2013年にスタートした。現地のラジオDJたちが、カセットテープというカルチャーを見直そうとはじめたそうだ。こちらも世界中に広がっており、昨年はアメリカやドイツ、オーストラリアなどでも開催。グリーンデイやモーターヘッドといったビッグネームも参加し、かなりの盛り上がりだったとか。


そんなカセットストアデイ、今年は今週末の10月8日の土曜日に開催。日本でも同日に初開催が決定している。

「私自身、長く音楽業界におり、10年くらい前に、当時関わっていたバンドがフジロックに出演して、その時のミキサーがカセットテープを使って音を作っていたんですよ。フジロックの大きなステージの音響で、カセットテープの音を聴いたとき、カセットの音ってこんなにも柔らかくていい音だったんだ! って感心したんですよね。それ以来、カセットには注目してました」

そう語るのは、「カセットストアデイジャパン」の主催者、今井良さん。以前は「レコードストアデイ」にも関わっていたそうだ。

10月8日には日本各地のレコードショップでカセットにまつわる、さまざまなキャンペーンやイベントが開催されるほか、日本のアーティストもカセットテープをリリース。

「今年はプレ開催的な位置づけで、リリースされるアイテムは少なめ」とのことで、27組と確かに数そのものは多くはないが、そのライナップを見ると、音楽ファンならグッとくるに違いないアーティストの名前が並んでる。


大傑作アルバムをリリースしたばかりのサニーデイ・サービスや、中津川 THE SOLAR BUDOKANでも話題を集めたシアターブルックなどのベテラン勢から、Young Juvenile Youthやnever young beachといった新進気鋭の注目株まで、ジャンルもキャリアも多彩なラインナップ。音好きならひとつやふたつ欲しくなってしまうアイテムがあるのでは?


実際にリリース予定のカセットを手に取ると、色やデザイン、パッケージもそれぞれに工夫されてて、レトロでチープシックな味わいもたまらない。中身の好き嫌いはともかく、ついつい欲しくなってしまう。


本記事の取材中、オフィスの部屋に流れてた音楽がとっても良くて、ついつい気になって、これは何?と聞くと、それも「カセットストアデイ」にてリリースされるものでラジカセから流されているものだった。別野加奈なるアーティストの作品で、そのフォーキーでアンビエントなサウンドをラジカセで聴くと、実に気持ち良く、カセットテープの魅力をここでも再認識させられた。

ちなみに、カセットストアデイの前日には、渋谷のMilkywayにて前夜祭的なイベントも開催される。前述のシアターブルックの佐藤タイジやサニーデイのふたりも出演するなど、小さな箱で行われるにもかかわらず贅沢な顔触れ。

見逃せないのは、NONA REEVESの西寺郷太によるカセットDJ。カセットテープでどんなDJプレイするのか⁉︎ どんな機材で? ミックスはするの? といった点でも興味深い試みだ。

カセットストアデイに参加するレコードショップはこちらをチェック。まずは来る10月8日、近くの店に足を運んでカセットムーブメントの盛り上がりを体感してみてはいかがだろうか。


なんとカセットテープの復刻も!

さて、どこの店に行ってみようかと、参加するショップやリリースされるカセットが一覧できるカセットストアデイのパンフレットを眺めていたら、ビックリ!! 1970年代のmaxellのカセットテープの復刻モデルが発売されるとの情報が掲載されていた。

1972年に発売され70年代に人気モデルだった「UD」のデザインを復刻したものが、カセットテープ発売50周年を記念して11月に発売されるのだとか。今見ると、ロゴやフォント使いが新鮮で、妙にカッコよく見えてしまう。スニーカーや腕時計などではお馴染みの“復刻”。まさかカセットテープでも出てくるとは……。カセットブームもいよいよ加熱してきたと実感する。

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