凝り固まった価値観が壊れるとき…自己否定から決別し、人生が動き出すどうして自分ばかり……彼女は幼い頃、ずっとそんなことばかり思っていた。「不仲な両親の離婚と、異父兄弟との軋轢のなかで育った私は、いつも損な役まわりばかりで家のなかでは存在を消すように息をひそめていました」子どもは生まれ落ちる場所や家族を選べない。だからその状況を受け入れて生きていくしかないと思ってきたが、それは違っていた。どんな環境に生まれようと、その後の環境は自分で選び取ることができるのだ。生まれ育った小さなコミュニティの外に目を向け、異文化を感じたとき、彼女を閉じ込めていた小さな殻が壊れていった。「そのとき初めて、私が私という人格に出会えたんです」2016.10.31 04:00