FUJI ROCK FESTIVAL(以下フジロック)は、今年20周年。ティーンのみんなが、まだ生まれてない頃にスタートしたフェスってことになる。
「野外フェスって過酷なんでしょ? アウトドアブランドは好きだし、野外で楽しむBBQも楽しいけど、でも山の中で本格的にアウトドアするのはちょっとなぁ……」なんて思ってない? フジロックでは、そんなこと吹き飛んじゃうくらいのホスピタリティと素晴らしいライヴパフォーマンスが待ってるから、思い切って飛び込んでみて。
SILLY的オススメプランは、7月22日、金曜日の1日参加。
今年トレンドのキャップ(日除け&ちょっとした雨対策)と、VETEMENTSみたいなレインコート、定番のHUNTERブーツを装備すれば、だいたいのことはへっちゃら。宿もテントもいらない。チケットと、苗場まで行くための”足”と、ハッピーマインドがあれば大丈夫。
それから、少しだけライヴの予習もしておこう(きっと事前に立てたタイムスケジュールは、現場で崩れちゃうんだけどね)。
ティーンにオススメの金曜アクト10選を、ピロートーク企画&カセットテープレビュー企画でおなじみの田中宗一郎さんに聞いてみたよ。
■JAMES BLAKE
ポップミュージックの主流が、完全アメリカベースになったここ十年。そのなかで、ビヨンセのアルバムにもフィーチャリング参加しているジェイムス・ブレイクは、もはや「ダブステップの創始者のひとり」という肩書きから、「2010年代のポップミュージックの最前線」へ。そんなタイミングだからこそ、ぜひ見ておきたいアーティスト。
■JAKE BUGG
2010年代のポップ・シーンの大事件のひとつは、USインディのアーティストたちがフォークミュージック再定義して、モダンに解釈したこと。それをイギリスでやったのがジェイク・バグ。フォークにルーツを持ちながら、新しいポップミュージックをクリエートしているという意味においては、2010年代のレッド・ツェッペリンみたいな存在。
■BOREDOMS
そもそもは90年代前半のグランジ/オルタナシーンで最もエクストリームな、90年代の象徴ともいえる日本のバンド。でも、90年代~00年代、テクノ/ダンスミュージックがポップミュージックの中心だった時こそが彼らボアダムスが世界の中心であり、最先端でした。そんな彼らが、”今”何をやるのかに大変興味があります。
■DISCLOSURE
ポップミュージックの中心がアメリカに完全に移行してしまい、どうにも振るわなくなってしまったイギリスの音楽シーンから、ひさびさに世界的に成功したのがディスクロージャー。オーセンティックなハウスミュージックをポップミュージックに押し上げた彼ら。視覚的にも”魅せる”パフォーマンスが楽しみ。
■THE INTERNET
00年代以降、メインストリーム、アンダーグラウンド、インディー寄りのものなど、すべてのカルチャーにおいてポップミュージックの中心はヒップホップ。特にオッド・フューチャー周辺のアーティストは、そうしたすべてのハブになりつつ、同時に最大のオルタナティヴでもあります。そのクルーの一員、ジ・インターネットを観ておくのは、世界の今を目撃することだと思います。
■Suchmos
もちろんクオリティの高さもあるけど、その存在自体が、今、日本のバンドでもっともエキサイティングだと思う。それは、ここ10年間どんなジャンルを見ても、アーティストの大半が「クラスのはみ出し者」だったのに、サチモスは「幼稚園からずっとクラスの人気者」だったに違いない、と思わせるその存在感。その自信や全能感が、ライブだとさらに最高なんですよ。
■KOHH
やっぱりKOHHは最高、日本一。何よりも、その物怖じしなさが抜群です。日本語ラップって、70年代~80年代のロックと一緒で、どこか「借り物」という引け目があって、それをどうローカライズしていくかみたいなことが主眼にあった。でも彼はそうした垣根や屈託を軽々とこえちゃった。彼はこれから海外を主戦場にしていくはずだから、これから先、KOHHを観るにはフジロックのWHITEステージが「一番小さなステージ」になるかもしれません。
■COURTNEY BARNETT
テーム・インパラと同じように、ポップ音楽の中心であるアメリカやイギリスという北半球からは隔離されたオーストラリアから出てきたコートニー・バーネット。女性としての立場を利用しつつ、ビヨンセほどフェミニニティを前に出さないスタイルで、90sグランジをストレートに参照したポップソングを書いてる。しかも「現代のジョニ・ミッチェル」ともいえる、2010年代の女性アーティストで一番のリリシスト。
■LÅPSLEY
経済的な余裕や、教育に基づいた知性を持っている人特有の、性根の悪さと批評性の高さを持っているのがラプスリー。サウンド的には、アンダーグラウンドなダブステップ発祥のクラブミュージックの要素と、アデルみたいなメインストリームで勝負できるポップシンガーとしての素養が両方あって、さらにその裏にクラシックの学理もきっちりとある。無敵なんです。
■PLANET GROOVE(D.A.N.、MURA MASA、SOPHIE、OLIVER HELDENS、SHINTARO)
フジロックの20年の歴史において「金曜の深夜」はとても大事な空間であり時間だった。ここ数年、EDMのブームでそのアイデンティティが瓦解してた部分もあるんだけど、今年はずっとダンサブルで、いい意味でダークなテイストを持った人たちが、完璧な流れでそろった。D.A.N.、ムラマサ、ソフィーの流れはマストです。ここまで体験して、ようやくフジロックの金曜終了ですよ。
■「SMASH go round 20th Anniversary」 FUJI ROCK FESTIVAL '16
2016年 7月22日(金)、23日(土)、24日(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場
SMASH CORPORATION
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