プロBMXライダー、ナイジェル・シルベスターが見たエキサイティングな東京

Takao "OKB" Ookubo

Editor/Writer
Instagramアカウント[@takao_okb]

NIKE、G-SHOCK、Beats by Dreなど、世界の名だたるブランドからもサポートされるプロBMXライダーのナイジェル・シルベスター。


彼のBMXショートフィルムプロジェクト第3弾『GO! 3 / Tokyo』が、先日YouTubeにて公開された。豪華なゲスト出演陣や東京の新旧カルチャーがミックスされた、リアルな東京が映しだされており、話題を集めている。

(写真左・俳優 野村周平)

(写真左・クリエイティブ・ディレクター NIGO®︎)

(写真右・UNITED ARROWS & SONS ディレクター 小木“POGGY”基史)


ライダーとしての活動だけでなく、フィルマーとしても活動するナイジェルが手掛ける『GO!』は、彼がBMXに乗っている視点から街やカルチャーを映し出している作品。

いわゆる一般的なエクストリームアクションスポーツのビデオとは違い、映像を通して体感や体験をテーマとしたプロジェクトであり、彼の故郷であるNYを舞台に撮影された第1弾のNY編、第2弾はLA、そして第3弾が東京と続く人気BMXビデオシリーズなのだ。


『GO! 3 | Tokyo』

2016年10月に来日した際に撮影された本作は、彼が飛行機から日本に向けて飛び立つシーンからスタート。ホテルで目を冷まし、着替え、そのままBMXに乗り、仲間と共にライディング。そして、東京カルチャーを代表するキーパーソンたちとコミュニケーションをとりながら、彼が思う東京のカルチャーを、BMXを通して切り取っていくという、リアルなライフスタイルそのままの映像になっている。


NIGO®︎や小木“POGGY”基史など、東京ファッションを代表する人物が登場しかと思えば、HARAJUKUカルチャーやKAWAIIカルチャーを世界に発信するアソビシステムのAMIAYAやUnaの姿も。そして終盤には、彼の盟友でありBMXライダーとしても知られる人気俳優の野村周平とのBMXによるセッションまで見ることができる。


面白いのは登場人物だけではない。日本が誇るBMXショップ『W-BASE』や、藤原ヒロシがディレクションする銀座のコンセプトショップ『THE PARK・ING GINZA』から、ロボットレストラン、マリオカート、相撲まで、新旧入り乱れた東京のスポットが舞台に。

6分22秒という時間のなかで、スピーディかつリズミカルに東京の街が切り取られている。


このプロジェクトは、スポンサーやサポートブランドのために作られたプロジェクトではなく、ナイジェル自身によるプライベートプロジェクトであるというから驚かされる。

ナイジェルが表現する東京の街『GO! 3 / Tokyo』から、彼のインディペンデントな活動についてまで、そのクリエイティブマインドを探るべくインタビューを敢行した。

クリエイティブな活動を通して 
挑戦するために生きている


ー『GO!』プロジェクトはナイジェルさんの目線でいろんな街のカルチャーが映し出されてくのがすごくエキサイティングで面白かったです。まずはこのプロジェクトのコンセプトやテーマを教えてください。 

ナイジェル・シルベスター(以下、NS) 『GO!』は俺がBMXに乗っている視点で世界を映し出すことをテーマにしたプロジェクトなんだ。俺が出会った人や見たものをビジュアル化している。ロケーションや登場人物も全部自分で決めている。BMXライダーとして等身大の俺が表現することで、BMXに乗るのがどんな感覚なのかを伝えていきたいと思ってるんだ。 


ーNY編、LA編と続き、東京を第3弾に選んだ理由はなんだったんですか?

NS 2010年に初めて日本に行ったとき、東京が大好きな街になったんだ。カルチャー、人、東京のバイヴス、すべてが魅力的に感じた。『GO!』のプロジェクトをスタートするためNYで撮影をはじめたときに、もし海外で撮影するチャンスがあったら、最初は東京にしたいって決めていたんだ。  


ー作中で何よりも驚かされたのはNIGO®︎さん、小木“POGGY”基史さん、野村周平さんといった豪華な出演陣でした。

 NS NIGO®︎もPOGGYも、彼らにはずっとリスペクトをしていたから一緒にやれて本当にうれしいよ。何かのカタチでいつかコラボしたいって思っていたから大変ありがたく思っている。彼ら以外にもたくさんの東京のアイコンたちが登場してくれたから、このプロジェクトが完成した。今回登場してくれたみんなは日本のカルチャーを代表している人だし、俺はそのカルチャーからインスパイアされているからね。


 ー野村周平さんとは以前から親交が深いとお聞きしました。出会いのきっかけを教えてください。

NS 2012年に撮影した日本のファッションマガジンでの共演からずっと仲がいいんだ。それ以来SNSでよく連絡を取りあってるよ。東京に来るとよくBMXショップ『W-BASE』で一緒にハングアウトしてる。周平はいろんな才能を持っていて、BMXライディングのLOVEをシェアする仲だね。今回も『GO!』の撮影で東京に行くって連絡したときも、忙しいなか時間を作って協力してくれた。本当に感謝しているよ。 


ー相撲などの伝統的な日本のカルチャーと、マリオカートやロボットレストランなどの新しい東京カルチャーのミックスも目を惹きました。そこに狙いはあったんですか?

NS 正直日本は面白い独自のカルチャーがありすぎて、何をカヴァーすればいいか迷ったよ。改めて日本のカルチャーのエキサイティングさに驚かされた。このプロジェクトでは東京という街が持つそういうエキサイティングな部分をリスペクトしながら、可能な限りベストな場面をセレクトしたんだ。だから伝統的なカルチャーも今のリアルなカルチャーもミックスすることを重要視したよ。いろんな街のいろんな異なる要素を紹介することが、俺の『GO!』プロジェクトの目標でもあるんだ。


ースポンサーやサポートブランドなどは関係なく、ナイジェルさんの個人のプロジェクトだとお聞きしました。こういったクリエイティブな活動を続ける理由を教えてください。

NS クリエイティブな活動を通して、自分自身を表現することは個人的にもプロとしてもすごく大切なことだと思っているんだ。『GO!』のような企画は、俺の好奇心やクリエイティヴィティを刺激して、毎日向上心を持って上の目標を目指すように、モチベーションも高めてくれる。俺は挑戦するために生きているし、結果良し悪しでも、そこから学ぶようにいつも心掛けているよ。


ー今後の活動や企画しているプロジェクトなどがあれば教えてください。

NS 『GO!』の映像を楽しんでくれるファンがいる限りは、今後もこのプロジェクトは続けていきたいね。自分自身のスタイルを向上させていくためにも重要な要素だしね。映像だけのプロジェクトではなく、もっとライフスタイル的なアプローチををしていきたいって思っているよ。その試みとして、『GO!』とNew EraのコラボスナップバックをWEBサイトからリリースしたんだ。ベーシックに黒×白のカラーバリエーションがあって、東京のビデオリリースを祝って赤×白も作ったよ。いつか『GO!』のポップアップショップを日本でできたらいいなと思っているよ。


『GO! | New York City』

『GO! 2 | Los Angeles』

0コメント

  • 1000 / 1000