電気ケトルが1万円超え!? BALMUDAのポッドで淹れた珈琲は美味しい?

Ayami Imanishi

会社勤めのライター兼エディター。おいしいごはんとお酒があればどこへでも。

最近、家電のなかでも「キッチン家電」がアツい。無駄を削ぎ落としながら、必要な機能に対して予想外の満足感を得られるような仕掛けが施されていることが、最近ヒットしているキッチン家電の特徴だ。

2015年、家電業界を騒がせたのが、日本生まれの家電ブランド「BALMUDA」が発売した「BALMUDA The Toaster」。スチームと適切な温度調整で、“ただのトースト”が“ごちそう”に変わるのが魅力だ。これが大げさな表現でなく、本当なのだからすごい。先日、知人の結婚祝いとしてプレゼントしたら、「おいしすぎて食パン1袋が瞬殺だった」と言われたくらいだ。

そんなBALMUDAが次なる商品として発表したのが電気ケトル。2016年10月21日に発売された「BALMUDA The Pot」は、決して特別な機能があるわけではない。それでいて、1万1880円という価格設定には正直驚いた。


ぶっちゃけ、電気ケトルなんて2000~3000円で売っているし、お湯を温めるだけなのに1万円超えってどういうこと!? 百聞は一見にしかず。とにかく「BALMUDA The Pot」を使ってみることにした。

実物を手にしてみると、思った以上に高級感がある。カラーはブラックとホワイトの2色展開で、ブラックはアンティークっぽいクールさがあって、ホワイトは清潔感や温かみが感じられる。

素材も、一般的な電気ケトルのようにツルツルのプラスチックではなく、ちょっとマットなステンレス塗装が施されている。電気ケトルにありがちな生活感がいい意味で消えており、あえてテーブルに置きっぱなしにして来客に見せたくなるルックスだ。

容量は0.6リットルで、これはコーヒー3杯、カップヌードル2杯分にあたる。最初はちょっと少ないかなと思ったが、ひとり暮らしならこれで十分。家に友達や恋人が来ても、そんなに困るほどではない。足りなければすぐに沸かせばいいだけだし。

使い方はカンタンで、フタを空けて水を注ぎ、電源ベースの上にケトルを載せたらスイッチをオンにするだけ。スイッチをオンにするとハンドルの電源ランプが点灯する仕組みで、このランプの色のチョイスがたまらない。これがいかにもLEDライトという明かりだと印象は違ったはず。温かみのあるオレンジの光がふわっと光る姿に、毎回気付くと見入っている自分がいる。

お湯が湧くのにかかる時間は、200mlは約1分半、600mlは約3分。湧き上がりのサインは電源ランプが消えるだけで、ブザー音は鳴らない。一見、ブザー音が鳴らないのは不親切な仕様に思うかもしれないけど、急かされている感じがまったくしなくて気に入った。用事をしながらだとつい忘れてしまうことはありそうなものの、丁寧にコーヒーやお茶を飲みたいときにはぴったりだと思う。

いざ、お湯を注ぐ段階になると、この細長い注ぎ口がなかなかいい。狙った場所にピンポイントでお湯が注げるだけでなく、お湯がドボドボとこぼれてしまうこともないのだ。一般的な電気ケトルの注ぎ口だとよくお湯をこぼしていたので、すごくさりげないけど計算された注ぎ口なのだと気付かされる。

実際にこの電気ケトルでドリップコーヒーを淹れたときに感じたのが、注ぐお湯のスピードを調整しやすいこと。あんまりドリップコーヒーを淹れ慣れているわけじゃないけど、バリスタみたいな気分で調子に乗ってお湯を注いでみても、いい感じに加減できた。


そうはいっても、この電気ケトルを使ったからといって、湧き上がったお湯の味に違いがあるわけではない。じゃあ1万1880円の価値があるのかと聞かれれば、答えは「YES」だ。


お気に入りのファッションに身を包めば、その日1日の気分はアガる。それと同じように、「これいいな」と思う電気ケトルでコーヒーやお茶をいれるだけで、日常が“ちょっといいもの”になったような気分になれる。そんな時間への投資だと思えば、「BALMUDA The Pot」は安い買い物かもしれない。

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